多忙なイベント担当者のための イベント参加者のSNS投稿を促す具体的な施策
イベントの成功は、参加者の満足度だけでなく、その熱量がどのように外部に伝播するかも重要な要素となっています。特にSNSは、イベントの雰囲気や魅力をリアルタイムで伝え、さらなるインプレッションを生み出す強力なツールです。しかし、日々の業務に追われるイベント企画・運営担当者の皆様にとって、効果的なSNS運用に時間を割くことは容易ではありません。
ここでは、限られた時間の中でも実践でき、イベントのSNSインプレッション向上に貢献する「参加者のSNS投稿を促すための具体的な施策」について解説いたします。参加者自身が積極的に情報を発信することで、イベントはより広く認知され、高いエンゲージメントを獲得することが期待できます。
なぜ参加者のSNS投稿が重要なのか
公式アカウントからの発信も重要ですが、参加者による投稿には以下のような独自の強みがあります。
- 高い信頼性: イベントを実際に体験した生の声は、プロモーション情報よりも信頼されやすく、見込み客に響きやすい傾向があります。
- 自然な拡散: 参加者のフォロワーネットワークを通じて、イベント情報が自然な形で広がり、新たな層にリーチできます。
- エンゲージメントの創出: 投稿への「いいね」やコメント、リツイートなどが活発に行われ、関連性の高いキーワードのインプレッション増加に繋がります。
参加者に「投稿したい」と思わせる基本的な考え方
参加者に自発的な投稿を促すには、「投稿したい」という気持ちを引き出す動機付けと、「投稿しやすい」環境の整備が必要です。
- 体験の提供: 共有したくなるようなユニークな体験や、写真・動画映えする瞬間を提供します。
- メリットの提示: 投稿することによるメリット(例: 景品、割引、特別な体験)を明確に伝えます。
- 投稿の簡便化: どのような情報を、どのハッシュタグを付けて投稿すれば良いかを分かりやすく示します。
- 認知・反応: 参加者の投稿を見つけ、公式アカウントから反応することで、投稿意欲を刺激します。
多忙な担当者でも実践できる具体的な施策
ここでは、イベント準備・運営の各段階で実施できる、比較的容易で効果的な施策をいくつかご紹介します。
1. 事前準備段階でできること
イベント開催が決定したら、企画段階からSNS連携を視野に入れることが重要です。
- オリジナルハッシュタグの決定と周知:
- イベント名やテーマに関連する、短く覚えやすいオリジナルハッシュタグを決定します。
- 公式ウェブサイト、告知画像、チケット、SNS投稿など、あらゆる媒体で一貫して表示します。
- 例:
#イベント名2023
,#テーマ名フェス
,#自社名イベント
- 同じハッシュタグを使っていないか事前に確認します。
- フォトスポットの設置企画:
- 写真撮影したくなるような、視覚的に魅力的なエリアを設けます。
- イベントの世界観を反映させたり、キャラクターのパネルを置いたりします。
- フォトスポットの近くに、推奨ハッシュタグを記したサインを設置します。
- SNSキャンペーンの計画:
- イベント期間中に実施する「ハッシュタグ投稿キャンペーン」などを企画します。
- 応募方法、期間、景品、当選発表の流れを明確に定めます。
- 景品は、イベント関連グッズや次回の割引券など、参加者の関心を引くものが効果的です。
- 投稿テンプレート・素材の準備:
- 参加者が使える写真フレームやスタンプなどのデジタル素材を事前に準備し、ダウンロードリンクを告知します。
- SNS投稿の参考になるような定型文や、イベントの簡単な紹介文を用意しておくと、投稿のハードルが下がります。
2. イベント開催中にできること
イベント当日の仕掛けやアナウンスは、リアルタイムでの投稿促進に直結します。
- 会場でのハッシュタグ掲示:
- 会場内の分かりやすい場所(入口、ステージ横、休憩スペース、フォトスポットなど)に、決定したオリジナルハッシュタグを大きく掲示します。
- 可能であれば、QRコードと一緒に表示し、ハッシュタグをコピー&ペーストしやすくします。
- 司会者・スタッフからの声かけ:
- イベント中のアナウンスで、「SNSで今日の感想を、ぜひ#[ハッシュタグ名]を付けて投稿してください!」と呼びかけます。
- スタッフも参加者との会話の中で自然にSNS投稿やハッシュタグ利用を促します。
- リアルタイムでの投稿紹介:
- イベント会場のスクリーンや公式SNSアカウントで、参加者からの投稿をリアルタイムで紹介します。
- 事前に紹介する可能性を告知しておくと、参加者の投稿意欲が高まります。紹介の際は、プライバシーに配慮し、可能であれば事前に許諾を得ることが望ましいです。
- 限定コンテンツのライブ配信:
- イベントの一部(オープニング、ゲストトークなど)をSNSでライブ配信し、視聴者にもハッシュタグを付けてコメントや質問を投稿するよう促します。
3. イベント終了後にできること
イベント後も参加者との繋がりを維持し、投稿を後押しします。
- 参加者投稿への反応:
- イベント終了後も、公式アカウントから参加者の投稿を積極的に検索し、「いいね」やリプライを送ります。
- 特に良い投稿は、公式アカウントでリポスト(再投稿)する際に、参加者のアカウント名を明記して紹介します。
- キャンペーン結果発表と御礼:
- 実施したSNSキャンペーンの結果を発表し、参加者へ感謝のメッセージを送ります。
- イベントの成功を報告し、次回のイベント告知に繋げることも有効です。
- イベントレポートの作成・共有:
- イベントのハイライトや雰囲気、参加者の声などをまとめたレポートを作成し、SNSで共有します。この際、参加者の投稿(許諾を得たもの)を引用することも有効です。
多忙な担当者が効率的に進めるためのヒント
- 事前準備の徹底: イベントが始まる前に、キャンペーン内容、ハッシュタグ、告知物などを可能な限り準備しておきます。
- タスクのリスト化と分担: SNS関連のタスクをリストアップし、チーム内で担当者を明確に分担します。
- テンプレートの活用: 告知文やリアクションコメントのテンプレートを用意しておくと、作業時間を短縮できます。
- ツールの利用: ハッシュタグのトレンド分析ツールや、SNS投稿管理ツールなどを活用することも検討します。
まとめ
イベントのSNSインプレッションを高めるためには、参加者の方々が自発的に、そして楽しくイベントに関する情報を発信したくなるような仕掛け作りが非常に有効です。この記事でご紹介した施策は、準備や実施に少しの工夫は必要ですが、多大な時間や専門知識を必要とするものではありません。
まずは、ご紹介した中から取り組みやすそうなものを選んで、一つずつ試してみてください。そして、どのような施策が参加者の反応を引き出したかを観察し、次回のイベントに活かしていくことが、継続的なインプレッション向上に繋がります。参加者と共にイベントを盛り上げ、その熱量を広く伝えていきましょう。